2017/08/17

櫻久 介護話短歌 (第十一回)

     [櫻久 介護話短歌] (第十一回)


(コメント)
① 今回も前回同様に、櫻久〔介護話短歌〕は夏休みを取らせて戴き、
「若年認知症家族懇談会」が始められた、比較的初期の頃(2010年度~2011
年度)の、介護家族の皆さんのお話を詠み込んだ〈短歌〉を紹介させて戴きます。
② 従って、介護話をなさった家族の匿名での特定はしていません。又、前々回まで
のように〈病態の時期〉の特定もしておりません。
③ 前回の繰り返しになりますが、櫻久自身も、「認知症」についての知識、理解が
初診段階のため、短歌自体が拙く且つ分かりにくい詠いこみになっておりますことを
ご容赦ください。
④文中、◇印は家族懇談会の傾聴と採録による「介護話短歌」であり、▽印は櫻久が
詠んだ「介護短歌」です。


     〔2010年9月 家族懇談会からの歌〕 
◇〈排泄〉の 作法乱れる夫なり 諦め割り切り 私のサポート

◇〝今 何時?〟 一分刻みで我に訊く 夫(つま)の症状 流して答える

◇繰り返し 睡眠薬をば求め来る 夫(つま)に供する 〈ビオフェルミン〉だけ

◇夫(つま)の言(げん) 穏やかなれども威圧感 天気と薬と 時間とテレビと

◇閉じ篭る 妻の心奥開けかし 他人(ひと)に優しき 性根を生かせよ

◇思いきり 一歩踏み出し外へ出て 仲間集える 場に交(まじ)わらん

◇排泄の 不始末嘆く我の前 矜持の夫(つま)は 困惑の眼(め)

◇疲れきり 帰宅の我は〈介護職〉 迎える父は 〝お前は誰だ!〟

◇産褥期 孫と娘とわが夫(つま)と 〈トリオ介助〉の 奮闘の日々

◇こだわりと 怒りは共に表れる 〈場面転換〉 シナリオ処方す 

◇「茶菓」のこと 何気なく言う夫(つま)の前 場面転換 来たれと願いつ

◇自閉の子 育て育てて 会得せり 病の夫(つま)に 寄り添うユトリが

◇病む夫(つま)と 働く子等をば共にケア 生きる喜び 我も満喫

◇介護士の 息子の言葉 優しかり 父を和ます 見事な演技


▽逆行の 記憶喪失まさに母 その無邪気さに たじろぐ青年       

▽叫び立つ 嫉妬妄想 悲しかり 病態進む 夫(つま)のこの頃

▽父思い 母を気遣う娘(こ)の声の くぐもり くぐもり 涙溢れる



     〔2010年11月 家族懇談会からの歌〕
◇妻叱る イラダチ高ぶる感情は 忽(たちま)ち響くを 覚えて反省

◇デイサービス 迎えの女性の若かりし ためらう夫も 途端に〈笑顔〉に

◇排泄の 適所の混乱 悲しかり 〈踏絵〉の如き 介護の試練よ

◇服薬の 神経作用を切り抜けて 頻回トイレも 「割り切り」覚える

◇夫とも 子等とも とことん話し合い 歩み出したる 〈闘病暮し〉よ

◇イライラや がっかり顔の度々は 夫(つま)に伝わる 日々を猛省

◇起き出して 隣りの我をば 誰何(すいか)する 夫(つま)の〈妄想〉 過酷を極
める

◇〈忘却〉は トイレ行為に付きまとう 往復しきりも 受け入れるのみ

◇〈割り切り〉に 徹する以外に手立て無し 夫(つま)の頻尿 その懸命さよ

◇〈睨む眼〉で 我の察知を求め来る 〈幻視〉に向う 夫(つま)のこの頃

◇〈症状〉と 〈体調〉調整 至難なり 祈る思いで 薬を案配

◇さりげなく 「ショートステイ」を取り入れる 己が健康 保つを欲して

◇孫を見る 夫の眼差し優しかり 己が心労 一刻(ひととき)の〈楽〉

◇病歴の 十年となるわが夫(つま)は 体調崩した 我をし気遣う

◇若者の ジョギングを見て走り出す 夫は帰宅し 〈二時間〉グッスリ

◇〈飲食〉を テーマに場面を変えるのが 〈拘り〉紛らす シナリオと知る

◇こだわらず 水に流して日々を往く 独り楽しむ 〈ダンスの教室〉

◇食べられて トイレも自立し和む夫(つま)  素朴ながらも 有り難い日よ

◇我を呼び 我を誰何の絶え間なき 〈割り切り・受け入れ〉 とことん遵守す


▽〈施設ケア〉 選ぶつもりの家族だが 「若年期の人」 選ばれている

▽〈症状〉が 激しくない人 後回し 「特養」順番 〈若年期〉は不利

▽病院の* 〈排泄介助〉は手不足か 〈オムツ〉の替りに 〈バルンカテーテル〉

(*)病院=此処では歴史の長い或る〈精神病院〉へ入院したご本人に関わる〈介護
家族〉のお話しによります。

▽二分とは 経たぬ間に尋ねくる 〈強い拘り〉 時間と テレビに

▽それぞれに 〈強い拘り〉持つ夫(つま)を 介護のお二人 〈友達同士〉に

▽〈拘り〉の 対応ノウハウ お二人は 電話でしばしば 〈和やか電話〉す

▽寝室は 出来れば〈厨房〉傍らが 先輩介護者 〔Kさん〕は言う



     〔2011年2月 家族懇談会からの歌〕  
◇フルネーム 敬称まで付け夫を呼ぶ 〈割り切り〉覚えた 〈介護開拓〉

◇自らの 処し方と惑う夫の居て 〈大黒柱〉の 揺れを支えん

◇限りなく 自分に向かう夫(つま)の居て 心痛める 我の難渋

◇自己中も 他人批判も〈病態〉か 〈割り切り〉一番 自分の為なり

◇極端に 外出厭(いと)う妻誘い 「つどいの場」へと 初参加せり


◇「見当識」 衰え至る妻連れて 営業のため 都心へ向かう

◇〈ピック病*〉 病名告げられ もう五年 割と穏やか 母世話をする夫(つま)

(*)ピック病=今では「前頭側頭型認知症」と名づけられている。1892年に最初
に研究成果を発表したアーノルド ピックの名前を冠したとされています。

◇穏やかに 過ごせるペースを掴み取る デイサービスと ショートステイと

◇「コタツムリ」 夫共々 冬の日は 和み会得で 穏やかに過ぐ

◇堆積の ストレス抱えた戸惑いを 〈リフレッシュの旅〉 溶かしくれたり

◇クヨクヨと 思いあぐねること止めて 「鷹揚介護」に 徹するばかりよ

◇依存度の 高まりくること感じつつ 自分の時間を 編み出す工夫を

◇〈介護心〉 保つ演技に腐心する 母は我らに* イライラ投げる

(*)母は我らに=「認知症の人」になった父を優しく介護しようと懸命の母は、その
ストレスを僕達兄弟にぶつけるのです。(母と一緒に参加した息子さんの話から)

◇〈絵手紙〉を 楽しむ特技 母は持つ 鬱積塗り消す 佳き筆となれ

◇社保庁と 医師との間を〈三往復〉 漸く申請 妻の〈年金*〉

(*)妻の年金=此処では精神障害者1級・2級の認定を受けている人への「障害
年金」を言う。

◇〈窓口*〉は 配慮不足で不親切 懇願強いられ かなりのストレス

(*)窓口=此処では、社会保険事務所の〈年金申請を受け付ける窓口〉のこと。

◇背負い込まず 頑張り過ぎずにさり気なく 〈和みの心〉を 芯に据えつつ

◇現れて 消えては再び現れる 〈不安と依存〉の 童子(わらし)還りよ

◇困惑の 溶け去る時の何時なりや 〈闘病の我〉 〈仰臥せし妻〉

◇悲しかり 父は厳然 笑顔なく 傳(かしづ)く母は 黙然耐え居り

◇降り止まぬ 驟雨の如き〈夫(つま)の言〉 食事・服薬・睡眠 求めて

◇内心で 呪いのセリフを 打ちたたき 荒ぶる夫を 〈笑顔〉で宥める


▽勤労の 意欲秘めつつ模索する 〈専業主夫〉たる 介護の恬淡

▽割り切って 黙って聞き入れ諦めて 消化してから 流す〈妄言〉

▽立ちすくむ 一家のありて 驚愕す 〈若年病〉 安寧をのみ

▽子を叩く 父親の所作〈病い〉ゆえ 抑える母(つま)の 胸の哀しみ

▽病む夫(つま)と 愛子(まなご)三人 己が父 〈家計〉背負って 妻スクと立つ

▽介護して 睡眠時間の〈三時間〉 そして働く 妻逞しき

▽時折りの 幼き孫との会話あり 〈症状〉宥めて 〈セラピー効果〉よ

▽心奥の 思い苦渋に満ち溢れ 夫(つま)の病の 否定 続くや

▽主婦業の 習い日増しに消していく 妻を支える 夫の端然

▽刻みゆく 時の流れの過酷さを 耐え忍ぶ念 〈慈愛〉あるのみ

▽美容院 虫歯治療の遅れるも 妻の遣り甲斐 豊かなりけり

(櫻久の追記) 支部会報へ原稿を書くため、殆ど無断で「懇談会」での介護家族の方
々のお話を採録して、聞き直すうちに、半ば衝動的に始めた「介護話短歌」の初期の
一群を、二回搭載させて戴きました。己から言うことではないかも知れませんが、何
所となくギコチないながらも、初々しい硬さが感じられて、今更ながら、詠うことの
難しさ、奥の深さを痛感しました。正に〝初心忘れるべからず〟でしょうか。
2017/08/07

櫻久 介護話短歌 (第十回)

     [櫻久 介護話短歌] (第十回)

(コメント)
① 今回と次回は、櫻久〔介護話短歌〕も、夏休みを取らせて戴き、「若年性認知症
家族懇談会」が始められた、比較的初期の頃(2009年度~2011年度)の、介護
家族の皆さんのお話を、詠み込んだ〈短歌〉を紹介させて戴きます。
② 従って、介護話をなさった家族の匿名での特定はしていません。又、前回までの
ように〈病態の時期〉の特定もしておりません。
③ 櫻久自身も、「認知症」についての知識、理解が初診段階のため、短歌自体が、
拙く且つ分かりにくい詠いこみになっておりますことをご容赦ください。


  [2008年~2011年に詠んだ介護話短歌と介護短歌] (第1回)
(備考)
・◇印=家族懇談会の傾聴・採録による介護話短歌 
・▽印=櫻久が詠んだ介護短歌


     〔2008年11月 家族懇談会からの歌〕
◇お出掛けを 拒む夫にテストする 「十時十分」 描かせて 〈パス〉

◇〈全摘〉で 胃のない夫に医師の云う〝胃瘻は如何か〟「生きる」とは何!

◇自分こそ 〝長生きせねば〟と決意して 夫(つま)に先立ち 〈健康食〉摂る

◇経口の 食事レベルを 保とうと 様々工夫の 介助 忙(いそが)し

◇妻の行く「デイサービス」の空(むな)しかり ゲーム遊戯にも 馴染み覚えず

◇夫(つま)通う デイの仲間は〈高齢女〉 独りモテモテ〈モダンボーイ〉で



     〔2009年2月 家族懇談会からの歌〕
▽厳しくも なぜか温もる雪の路 〈介護の道〉も しかくあらんか

▽穏然と 自画説き明かす 雪の午後 愛子(まなご)を語る 父そのままに

▽節会雪(せちえゆき) 〈介護〉渾心こもごもに 辿り来る人 向い立つ人



     〔2009年4月 家族懇談会からの歌〕
◇桜散る 川辺の道を散歩する 夫は歩みつ 〝迅速 迅速〟

◇妄想の 何故か〈拘り〉「歯」に限る 夫の話は 次から次へと

◇〝歯が抜ける〟〝歯が盗まれる 歯が落ちる〟 夫(つま)の妄想 際限のなく

◇愛孫の 来りて抱く わが夫(つま)の 笑顔優しく 〈暴力〉何処かへ

◇同病の 朋友の旅立ち* 愛惜か  夫(つま)の独語は しばし止らず  

(*)同病の朋友の旅立ち=「脳血管性認知症」を病む〔Uさん〕の仲間〔YDさん〕
(レビー小体型認知症)は、2009年9月に61歳の若さで旅立ちをなさいました。

◇物忘れ 十秒あとには 物忘れ それでも夫は 穏やかに居る

◇子育てと 勤務と〈家計〉を保ちつつ 病む父 介護の 母をし想う*

(*)母をし想う=四月家族懇談会に母親と共に参加された娘さん(高校生)の
お話しから。

◇近寄れば 優しい笑顔で 我を見る 「特養」入所の 妻は仰臥す

◇素直なり 寝たきり妻は 完食す われの介助で 〈施設の食事〉を

◇「ジッとして居られぬ病」持つ妻は 日夜に渉り渉って 家内を周回

◇厨房に 入りて我を助(たす)けるも 逸脱する妻 哀切の午後

▽春うらら 来たり集まり和談する 介護の苦楽 笑いと泪が

▽穏やかに 立ち居振る舞い演技する 介護の日々の 苦楽交々(こもごも)

▽自らの 氏名の文字を書かぬ夫(つま) 手添えの妻は 心震える

▽真夜中に 怒号を上げて惑乱す 病む父語る 娘の涙よ

▽川土手の 散りゆく桜 楽しげに 眺めて無言 手をつなぎつつ

▽本人と 世話人ボラのグループの 買物なごむ 花日和の街

▽和みつつ 介護の苦楽語り合う 願い望みに 光あれかし



     〔2009年5月 家族懇談会からの歌〕
◇妄想の 終りの早きを祈りつつ 今日も演ずる 〈安らぎ芝居〉を

◇思案して 度々交渉 施設ケア 「ショートステイ」と「老健」入所を

▽真情を 語り尽くした安堵あり 仲間と過ごす 皐月好日

▽菩薩でも マリヤでもない介護者は 時に苛立ち 焦りにマミレる



    〔2009年7月 家族懇談会からの歌〕
◇夏山を 登り始めた夫(つま)の傍 付き添う我には 期待と勇気が

◇〈拘り*〉に 徹する夫は清掃す 隣りの空地を 藪蚊撲滅 

(*)拘り=この〈強い拘り〉を発揮した〔KUさん〕の夫君の病名は「ピック病」と
呼ばれていた現在の病名「前頭側頭型認知症」でした。

◇〈火宅〉にや? 否〈浄宅〉なりきわが妻の 病に向う 静争の日々

◇後悔と 自戒の思い ないまぜに 〈早期発見〉〈長期苦労〉よ



     〔2009年9月 家族懇談会からの歌〕
▽達観か 悟りか それとも登頂か 夫(つま)の病いの 受容爽やか

▽手を繋ぎ 背中を押してユックリと 歩む仲間の 思い寂静

▽突き当り 頭を下げて 自省する 介護家族の 苦楽果て無き



     〔2009年11月 家族懇談会からの歌〕
◇会話 絶え 妻の笑顔に和む朝 「ショートステイ」の 見舞いのひと時

◇共々に 厨房に立つ われら居て 〈病い〉の妻の 段取り哀しく

◇帰り来て 門扉の前を通り過ぐ 夫(つま)の歩みの 留まることなく

◇矜持だけ シッカリ堅持す 今の夫(つま) 〈恩着せ言辞〉の 生々として

▽副代表 司会務めて 早や〈四年〉 〈慈愛と優しさ〉 家族に伝わる

▽叱責と 罵倒の雨をば 浴びせたる 罹患初めの 妻への懺悔も

▽妻看とり 六年過ぎたる副代表〝〈シモの世話〉には「達観」是非にも〟と



     〔2010年2月 家族懇談会からの歌〕
◇培いし〈介護の心〉の柔らかく 夫(つま)への謝言の さり気なく出る

◇二人目の 孫の朗報恵まれて 夫の和みの 気色ぞ悦(うれ)しく

▽演技して 工夫重ねて創り出す 〈家庭介護〉の いのちの和みよ

▽〈安芸発〉の 〈お好み焼〉をば満喫す 仲間同士の 食の悦び


     〔2010年5月 家族懇談会からの歌〕
◇介護役 恬淡気分に反応か 妻は和みの 笑顔を見せる

◇眠剤を 再三再四 求めるは  夫(つま)の毎夜の 〈儀式〉となりぬ

◇プライドを 損(そこな)うことなく 「デイサービス」 夫(つま)を導く 
母娘のシナリオ

◇旧友に 出会いし如くに ニコニコと 姿見に立ち 声掛ける夫(つま)

◇タイ国で 長く勤務の夫(つま)故か 〈鏡の人〉には〈タイ語〉で挨拶

▽誘われて 生演奏をば 黙聴す 夫(つま)の喜悦に 妻の感涙

▽庭で啼く 四十雀の声 響きくる 和談と笑いと トリオの如くに



     〔2010年7月 家族懇談会からの歌〕
▽真幸(まさき)くと ユトリ豊かに介護する 夫(つま)の和顔は 刻苦の果実か

▽世間顔 家庭の顔に表裏あり 父の病態 娘の憂いよ

▽『杉山本*』 一読 娘は理解する 〈父の表裏〉は 〈法則〉なること

(*)杉山本=杉山孝博著『認知症 理解と介護』(小冊子=入会と同時に献呈)

▽安定剤 服用具合を懸念する 介護の妻の 〈ワリキリ修行〉よ

▽外科 眼科 耳鼻科に加えて 泌尿器科 「認知症の人」 受診は重荷に

▽「受け入れる」 妻の病のその世界 我も入らん 淡々として
2017/07/26

櫻久 介護話短歌 (第九回)

     [櫻久 介護話短歌] (第九回)

(コメント)
① 支部代表・副代表・若年性認知症責任者及び当日の司会者はそれぞれ実名(苗字
のみ)を表記します。
②〔〕の中にA若しくはBとあるのは、病態の時期の表示とします。
[A]=初期 [B]=中期 [C]=後期。
③今回紹介する「介護話短歌」は、2013年(平成25年)7月開催の「若年性
認知症家族交流会」からのものであります。  
④例年、「7月会」は、年度内の「中央のつどい」のため、〈家族交流会〉の時間が
二時間となり、介護家族のお話しが、それぞれに簡潔さを求められます。従って、「
介護話短歌」も、詠み足らない部分がありますことをご承知おきください。


〔B〕
〔Mさん(夫・65歳・アルツハイマー型認知症・入院中から退院)の自宅介護を
再会〕 

◇8月に 夫は迎える〈65〉 発病したのは 55歳時

◇勤務先 早期に退職 療養し 進行穏やか これまで経過す

◇病名は アルツハイマー型認知症 自ら進んで 「つどい」も参加す

◇去年(こぞ)の春 夫は突然 激変す 〈介護度〉上がって 〈要介護4〉**


(**)介護度が〈要介護4〉に上がった=今回のブログの最後の処で、〔Mさん〕の
夫君の病態が動き始めた頃(平成22年5月)に開かれた「家族懇談会」での〔Mさん〕
の介護話短歌を紹介します。


◇焦躁感 興奮状態 収まらず 夏には〈食欲〉 極度に減退

◇受診して 主治医がくださる病名は 聞いて驚く 「拒食症」とは

◇秋となり 夫の食欲墜落し 〈暴言〉〈暴力〉 日常となる

◇契約の ケアマネージャー 見かねてか 夫の〈入院〉 強く勧める

◇〝このままで 行くのは大変危険です 奥さんご自身 ケガなど無きよう〟と

◇極まって 「AS病院」 探し当て 去年の十月 夫は入院

◇年明けて 夫の状態 悪化する 衰弱止まらず とうとう〈寝たきり〉

◇経口の 摂食 一切不可となり 末梢血管 〈点滴〉頼みに

◇入院時 夫(つま)は暴れて止むを得ず 〈手足拘束〉 11月まで

◇独断し 気持固めて わが夫(つま)に 〈経口摂取〉 試みるなり

◇病院は 〈点滴栄養〉譲らない やむなく〈補食〉を ひそかに実行

◇〈拘束〉が 外れた頃から 持参する 家から〈食物〉 携える我

◇かにかくに 経口摂取 細々と 続ける日々なり 年明け一月

◇密やかな 夫の〈摂食〉ストレスに 熟慮を重ねて 〈退院申し出〉

◇結局は 入院期間は 五ヶ月で 今年の二月に 夫は帰宅す

◇自宅での 療養条件 二つあり 〈在宅診療〉〈訪問看護〉と

◇幸いに 「訪問診療」受けくれる 「物忘れ外来」 MT先生

◇初めての 訪問診療 戴いて 済ませた先生 二つの提言

◇〝経管の 点滴栄養 限度あり 継続したとて おそらく二ヶ月〟

◇もう一つ 〝この際 装着〈胃瘻〉をば 自宅療養 大事な条件〟

◇以前から 夫は「胃瘻」を〝NO〟と云う 〈二者択一〉を迫られる我

◇いろいろと 悩んで娘達(こら)とも話し合い 苦渋の選択〈胃瘻〉を承諾

◇出来るなら 〈胃瘻〉は避けたい内心は 〈体力回復〉それだけ願って

◇示された MT先生 方向は 〝「デイサービス」など 道が拓ける〟と

◇紹介の 地元の病院 入院し 夫の手術は 〈胃瘻の装着〉

◇手術時の 夫の出血 多すぎて 入院期間は 予定を超えたが

◇お陰様 何とか〈胃瘻」を身に着けて 夫は退院 三月末には

◇帰宅後は 一日三回 注入す 取り外しの利く 〈胃瘻〉を通して

◇目に見えて 夫は元気を回復し 〈発語〉も日毎に 増えて来ている

◇沈んでた 〈生活反応〉 再生か 以前の夫と 再会の我

◇図に乗って 夫の好物〈クリームパン〉思わず食べさせ 娘に叱(しか)らる

◇好きな物 何とか口から食べさせたい 予(か)ねての望みを 実行した我

◇食べさせた クリームパンこそキッカケと 思いたくない 夫に〈異変〉が

◇5月過ぎ 〈歯軋り症状〉夫(つま)に出る 更に高じて 〈介護拒否*〉まで

(*)介護拒否=病態が進行したことにより生ずる〈周辺症状〉の一つとされていて、
状況により〈暴力〉に至ることもありうる症状と言われています。

◇ヘルパーや 私の「介護」を 断固拒否 肌に触れるを 極度に嫌がる

◇一方で 夫は〈体力〉回復す 顔色良くなり 気力も出てくる

◇「胃瘻」付け 栄養摂取で元気づく 夫は確かに 〈歩く〉意欲が

◇記録する 夫の〈歩行〉の再開は 〈5月28日〉 介護日記に 

◇入院中 〈寝たきり状態〉続けたる 夫(つま)の歩きは 五ヶ月ぶりなり

◇夫(つま) 既に〈経口摂食〉 嬉しげに 歩行も滑らか 以前の如くに

◇夫(つま)好む〈ニギリ寿司〉など取り寄せて 味わうその顔 幸せそのもの

◇回復す 確かに体力取り戻す それと一緒に 〈周辺症状*〉まで

(*)周辺症状(BPSD)=徘徊・もの取られ妄想・暴力・介護拒否など、「認知症の人」
に表出する症状で、出方は十人十色です。「心理・行動症状」とも言われます。

◇元気さと 一緒に出てきた〈譫妄〉が そして〈周徊〉 家中テクテク

◇〈胃瘻〉する 元気になるとは聞きしかど かくも激しく〈症状〉出るとは

◇回復の 代償 即ち〈激症状〉? 定めの如くに 夫に取り付く

◇〈スイッチ〉が 一旦入るや 荒ぶりを 始める夫を どう扱うか

◇見ていると 夫の態度は 〈自己防禦〉 〝自分を護る〟を 最優先する

◇この先の 夫の介護を どうすれば 経過の全てを お話ししました 

◇入院中 夫の服薬 いろいろと 試したけれども 〈適薬〉得られず

◇去年(こぞ)の暮〈夫の服薬〉ことごとく〈止める〉と病院 決めたとのこと

◇現在も 自宅で〈服薬〉 何もない MT先生 処方はなさらず

◇そこはかと 知れない〈恐れ〉が沸いて来る 介護の夫の〈突如の怒り〉に

◇意を決し 「デイサービス」をば再開す 先の6月 〈週に一度〉を

◇再開の 「デイサービス」にて〈入浴〉を 受ける夫の 素直さ願って

◇「デイサービス」 回数増やしていくつもり この7月より 施設とやりとり

◇当方に 「デイサービス」から連絡が〝こちらもケアには かなりの負担が〟と

◇施設側 ご意見よくよく伺って 夫の通所を 増やしていきたい

◇わが夫(つま)の 胃瘻の方式〈管式〉で 〈ボタン式〉にする 今迷いいる 


[杉山代表]ーー胃瘻装着と自宅介護(対応ノウハウ)

□自宅での 〈胃瘻〉の方式 選ぶなら 「ボタン式」こそ 適切なるべし

□栄養が 正しく体に入ること 〈胃瘻〉の役目は その一点にあり

□食欲が 〈生命力〉へと繋がって 活力育てて 立ち直る日が

□ボタン式 〈胃瘻〉の管理を組み合わせ 経口摂取 試みるが良し

□少しずつ 経口摂取重ねつつ 最終的には 〈胃瘻〉を卒業

□〔Mさん〕の 夫君の病態レベルでは 〈服薬・胃瘻〉の 調整が鍵

□保つこと 歩けて元気に「デイサービス」 通うことこそ 目標なるべし

□介護者が ケガをすること避けるべし 日頃の〈割り切り〉 何より大事に

(櫻久からの付記) この会(2013年7月)以降、〔Mさん〕の夫君介護は、様々な
ご苦労と経緯がありましたが、現在、夫君は自宅近くの「特養」に入所をなさって
います。ここに至るまでの経過については、今後、紹介の予定です。

〔付記〕
~〔Mさんの夫君〕の病態が動き始めた頃、2011年5月開催の〈家族
懇談会〉での「Mさんの介護話」及び「杉山代表の助演」を含めて詠み込んだ短歌

◇都下に在り 大学病院主宰する 「若年認知症対応デイケア」へと夫(つま)

◇週一度 その〈施設〉まで 通う夫(つま) 往復時間は 〈6時間〉なり

◇「若年期」 対応型なる「デイケア」で 居心地良いらし 夫(つま)は勇んで

◇〈6時間〉 昼間の時間は貴重なり 夫のサポート 実母の介護と

◇「デイサービス」 回数増やすが課題なり 我の体調 崩すを懸念す

◇〈MRI*〉 検査結果は悲観的 夫の「意欲の力」 落ち来る

(*)MRI=(Magnetic Resonance Imaging) 〈磁気共鳴画像検査〉とは、X線
撮影やCTのようにX線を使うことなく、その代わりに強い磁石と電波を使い体内の
状態を断面像として描写する検査のこと

◇出来ていた 〈日常動作〉が渋滞す 臆する夫は しばし佇む  

◇〈ADL*〉 何処までサポート深めるか 〈自立〉冒すを懸念し 思案す

(*)ADL=洗顔・入浴・歯磨等の日常生活動作(activities of daily living)

◇魚好き 夫はこの頃遅くなる 骨取る仕草も 幼な気(おさなげ)となり

◇通い来た 「絵画講座」も退会す 夫は〈張り合い〉 一つ失う

◇退会の キッカケ〈迷子〉に始まれり ケイタイ電話で 訴え来(きた)るも


[杉山代表]

□その内に 出来ていたこと ダウンする 〈柔和に笑顔〉で 介助していく

□認知症 どうでもいいこと〈割り切って〉〈拘り介護〉を 避けるのがコツ

□先ず「笑顔」 夫君に向けるをモットーに 〈和み介護〉の 定着目指せよ
2017/07/16

「若年性認知症介護話短歌 第八回」

     [櫻久 介護話短歌](第八回)

(コメント)
① 支部代表・副代表・若年性認知症責任者及び当日の司会者はそれぞれ実名(苗字
のみ)を表記します。
②〔〕の中にA若しくはBとあるのは、病態の時期の表示とします。
[A]=初期 [B]=中期 [C]=後期。
③今回紹介する「介護話短歌」は、2013年(平成25年)7月開催の「若年性
認知症家族交流会」 からのものであります。  
④例年、「7月会」は、年度内の「中央のつどい」のため、〈家族交流会〉の時間が
午前中の二時間となり、介護家族のお話しが、それぞれに簡潔さを求められます。
その為、「介護話短歌」が、詠み足らない処がありますことをご承知おきください。


〔A〕
〔Qさん(夫・64歳・アルツハイマー型認知症)を自宅で世話〕(一年ぶり
二回目の参加)

◇わが夫(つま)は 64歳 建築士 図面書く時 異変を自覚す

◇高齢の 姑 前から「認知症」 私の〈介護〉も 今では〈他人〉に

◇こんな時 夫の発病 〝これでもか〟 流石の私も 立ち往生する

◇「認知症」 二人の介護を独りでは 〝到底無理だ〟と 友にも言われる

◇思案して 義母の〈入院〉決断す 介護施設の〈関連病院〉へ

◇これまでに 家族を〈三人〉介護する 祖母と舅と姑 次々

◇皆 家族 夫も勿論〈家族〉なり されども不思議に 緊張の我

◇これまでの 〈三人介護〉は それなりに 一生懸命 誠意を尽して

◇不思議なり 夫と向き合う介護では 自分の感情 動きが激しい

◇折り良くも 杉山先生 夫(つま)受診 紹介戴き この「会」参加も

◇今日の「会」 私は二回目 一年ぶり 夫は初めて 緊張気味なり

◇雰囲気に 呑まれて夫は〝帰りたい〟 呟き宥めて 〈お仲間〉の許(もと)に

◇地域にも 町内会にも話しする 〝主人の病気は 認知症です〟と

◇近隣や 地元へ伝える内容は 事前に話して 〝いいよ〟と了解

◇一時間 近所の散歩が日課なり 今後の夫の 〈迷子〉に備える

◇距離置いて 自分の時間も持ちたいと 「デイサービス」など 勧めてみたけど

◇期待した 〝いいよ〟の返事は貰えずに 〝僕は行かない〟ハッキリと夫(つま)

◇不思議なり 何を感じて恐れるか 時に夫は 〈奇声〉を発する

◇この〈奇声〉 近所の方には驚きが 急いで 説明 分かっていただく

◇服薬は 二年前から「アリセプト」 最近加わる 新薬「メマリー」

◇これからの 夫の様子が 〝どうなるの〟 分からないなり 〈心の準備〉を

◇有り難い 杉山先生 主治医得て 何でも相談 〈助言〉も戴く


〔A〕
〔Bさん(夫・認知症の疑い)を自宅で世話〕

◇わが夫 先の5月に受診する 〝「認知症」の疑いあります〟と

◇〈長谷川式スケールテスト*〉の点数は 〈23点〉 その病院での夫(つま)

(*)長谷川式=認知症診断のための検査の一つで、30点が満点。20点以下では
一般的には「認知症」が疑われるとされています。

◇目指したる 二度目の病院 再テスト 〈満点〉取り得て 夫は満足

◇得意げな 夫(つま)を褒めると 彼は言う 〝やったばかりで覚えているんだ〟

◇〈アリセプト〉 最初は5ミリで今10ミリ 診断受けたる 医師の処方で

◇このところ 夫(つま)は帰宅後 閉じこもる 〝疲れたのかしら〟と懸念ばかりが

◇出勤時 夫に幾つか〈買物〉を 頼むも〈忘れて〉 空手で帰宅す

◇彼自身 〝何処かおかしい〟 内心で 疑念晴れずに 過ごし居るらし

◇職場でも 夫はしばしば〈物忘れ〉 迷惑かけたか 〈降格〉となる

◇赴任中 S県支社から東京へ 傷心の夫(つま) 本社の勤務に

◇勤務先 〈産業医〉から助言あり 気持固めて 本社の仕事に

◇勤務先 かなりの遠方 早朝に 自宅を出発 夫(つま)は往復

◇迷ったり 間違えたりする夫なり それでも必死に 通勤の日々


[杉山代表]ーー「長谷川式スケール」について(解説)
□職を持ち 計算得意な人ならば 「長谷川式」の成績 〈高点〉

□物忘れ 認識障害ある人も 〈長谷川式〉には 合格点取る

□一方で 日常動作の不具合が それほどでない人 〈落第〉あり得る

□病態は ユックリながらも進行す 〈長谷川式〉でも やがては 低下す


[杉山代表]ーー今後への助言
□貢献度 正しく評価の〈会社〉らし 〈夫君の居場所〉を 確保しくれるは

□いささかの 生活上での ギクシャクに 目くじら立てずに 支えるが良き

□会社とは コマメニ連絡 取り合って 夫君の勤務の 持続を目指せよ


〔A〕
〔Bさん(夫・認知症の徴候・勤務中)を自宅で見守りサポート〕

◇自分でも 〝申告せねば〟と 思うらし 〈己が発病*〉を 誤魔化すことなく

(*)発病=受診した医師から「認知症」の疑いありと言われたことを指す。

◇今 既に 部下よりしばしば指摘さる 〝先程申したばっかりですよ〟と 

◇新潟へ 夫が赴任の留守の間 自宅を改装 済ませている今

◇今すでに 自宅に戻って生活す 夫の日常 〈戸惑い〉の山

◇家具の場所 内装一新 今の家 夫にとっては 迷いと疲れが

◇〝張り紙を〟 勧める私に うなずかず 夫は内心 〈己を叱咤〉か? 

◇毎日の 〈行程表〉をば張り紙す 今の私の 朝の役目に


[杉山代表]
□〈物忘れ〉 確かに始まる夫君なり 〈張り紙表記〉を 徐々に増やそう


〔B〕 
〔Pさん(夫・60歳・アルツハイマー型認知症)を自宅で世話・近所で暮らす
娘さんも両親をサポート〕

◇わが夫(つま)は 若年性なる「認知症」 アルツハイマー 今年 還暦

◇恬淡の 割り切り叶って 手を繋ぎ 街を散歩の 我等夫婦は

◇「デイサービス」 今では夫は利用せず 娘と私で 〈自宅介護〉を

◇仕事持つ 私が勤務で留守の日は 娘がわが家で 父をば介護す

◇二人とも 都合がつかないその日には 夫は独りで 自宅で蟄居す

◇いろいろな 〈生活不具合〉 出て来てる 食事や 喫茶や 栓の開け方

◇街巡り 一日掛かって帰宅する 疲れた夫は 夜中に起き出す

◇付き合って 私も夫の相手する イライラするけど 〈割り切る〉しかない

◇病態の 今後の動きを予想して 娘一家と 〈同居〉を検討

◇ここへ来て 〈成年後見〉整えて 〈同居生活〉 心の準備も

◇食事時 〈複数器(うつわ)〉は お手上げで 大皿一枚 献立 全部を

◇食べる時 箸が向くのが 一ヶ所で 向いの私が 〈皿回し役〉


[杉山代表]
□おそらくは 〈視野の狭窄〉ある筈で テーブル全体 視野に入らず

(櫻久からの付記)最初に紹介をした〔Qさん〕の夫君の現況については情報が
ありませんが、主治医杉山代表の診療管理と、町内での理解と見守りを得て、穏やか
に過ごされていると推察されます。
また、二人目の〔Bさん〕については、以後の参加がない為、詳細は分かりません。
但し、夫君の病態の様子から推測して、前回〈七回目〉で紹介した〔Zさん〕と同じ
く、「軽度認知障害(MCI)」ではなかろうかと推測しています。
そして三人目の〔Pさん〕の夫君は、その後の病態が更に進んで、一年ほどで、
「認知症対応型病院」へ医療保護入院をなさったとのことですが、現況については
情報がありません。
2017/07/07

櫻久 介護話短歌 (第七回)

     [櫻久 介護話短歌] (第七回)

(コメント)
① 支部代表・副代表・若年性認知症責任者及び当日の司会者はそれぞれ実名(苗字
のみ)を表記します。
②〔〕の中にA若しくはBとあるのは、病態の時期の表示とします。
[A]=初期 [B]=中期 [C]=後期。
③今回紹介する「介護話短歌」は、2013年(平成25年)7月開催の「若年性
認知症家族懇談会」 からのものであります。(▽印の歌は櫻久の挿入歌。)  
④例年、「7月会」は、年度内の「中央のつどい」のため、〈家族懇談会〉の時間が
午前中の二時間となり、介護家族のお話しが、それぞれに簡潔さを求められます。
その為、「介護話短歌」が、詠み足らない処がありますことをご承知おきください。

〔A〕
〔Zさん(夫・68歳・軽度認知障害(MCI)を自宅で世話〕(二回目の参加)

◇評価され 定年過ぎても勤務する 今68歳 夫(つま)は端然

◇驚愕す 突如の電話が会社から 〝申し上げたい事 一つありです〟

◇〝ご主人に 最近 増えてる〈物忘れ〉 仕事の上でも 支障があります〟

◇更に言う 〝〈退職願い〉をご主人に 書かせて欲しい〟と 通告にも似る

◇三月時 〈勤務の継続〉 決めたのに 突如の変更 合点がいかずに

◇帰宅した 夫に話をした夜の 何とも言えない 私の苦しさ

◇本人も とても不満の〈この知らせ〉 確認するべく 翌朝 出社す

◇結局は 会社の意向は変わらずに 帰宅の夫は ひと言〝残念!〟

◇わが夫(つま)の 働く意欲は盛んなり 毎朝 口にす 〝会社へ行こうか〟と

◇身支度し カバンを抱えて身構える 夫を宥める 朝の辛さよ

▽Zさん 夫君の〈病名診断〉の 言及はなく お話し進める

▽おそらくは 夫君の〈病名〉 「MCI*」 初参加の折 話されている?

(*)MCI=認知症が疑われるが、断定は難しい人。健常と認知障害の中間の状態に
ある人のこと。(Mild Cognitive Impairment)。

◇考えて 「介護保険」の申請を 必要手続き 取り組んだ我

◇決定は 先月 戴く 〈要介護1〉 夫に話すも 〝それって 何だね〟

◇週二回 「デイサービス」へと送り出す 自宅近くの 介護施設へ

◇突然の 〈施設通い〉に当惑か 浮かない顔付 でも拒否などはせず

◇「サービス」の 意味が何やら分からない〝なんで私が行かなきゃならんか〟と

◇我 思う 〝彼なら分かってくれる筈 「デイサービス」の意味 通う間に〟

◇「慈母の園*」 夫が通所の〈デイサービス〉 近く増やして 〈週4回〉とせん

(*)慈母の園=仮称。

◇施設から 〈連絡帳〉にて知らされる 〝お宅のご主人 とても穏やか〟

◇更にあり 〝ご主人 周りに気配りし 高齢の方 お世話戴く〟と

◇帰宅した 夫の一言 哀しかり 〝今日行ったのは 何処だったんだろ?〟

◇これこそが 会社も言ってた〈物忘れ〉 ショックながらも 確認の我

◇気疲れか それとも体力減退か 〈疲れ〉呟(つぶや)き 夫はベッドへ

◇日常の 夫の質問 頻回に その繰り返しには 私も困惑

◇このことが 正しく〈病気の症状〉と 判ったつもりも ウンザリの我

◇杉山本*〝割り切りなさい**〟と書いてある けれども本音は〝ヤリキレません〟

(*)杉山本=杉山孝博著『認知症の理解と介護』
(**)割り切りなさい=同書第二章「介護家族の心理的ステップ/
第3(割り切り・あきらめ)」

◇耐えかねて 夫に〈病名〉打ち明ける〝貴方の病気は 「軽度認知症」です〟

◇それ聞いて 夫は黙って ウツムいて 固い顔つき 変えないで居る

◇東京で 二人の息子が生活す 揃って我等に 気遣いくれおり

◇先日も 新聞紙を巻き〈棒〉にして 私の頭を 叩く夫が

◇悲しくて ホントニ ホントニ 悔しくて 幼児の如くに 私も慟哭!

◇ペット犬 夫と私の口争い 始まる途端に 2階へと去る

◇16歳 人の齢(とし)なら80歳 普段は行かない その2階へと

◇ペットゆえ 我等の異変を感ずるか その鋭さに 驚きの我

◇送られた 彼の何かのメッセージ 夫も気付いて 感情静める

◇繰り返し 尋ねる夫に耐えかねて 〈退職理由〉を 思わず説明

◇それと知り 夫の落ち込み はなはだし 〈自殺願望〉 口走るなり

◇〈絶望感〉 夫の心を蝕(むしば)むや 家出や飛び込み 口にするまで

◇驚いて 初めは説得 懸命に 〝そのようなことしないでください〟

◇余りにも かさねがさねの〈激越〉に 堪(こら)えきれずに 爆発の我

◇〝はい どうぞ お好きなようにして下さい 私も後から直ぐにイキます〟

◇〝冷たくし 貴方をあの世に追いやった 重荷背負うのは 真っ平ゴメンよ〟

◇耐えかねて 「コールセンター*」相談す 〈認めて貰えて〉 いくらか安堵す

(*)コールセンター=家族の会神奈川県支部が開いている「認知症電話相談」です。


[杉山代表]ーー「認知症の人」と自死願望について(解説)

□意に反し 〈辞めさせられた〉の思いこそ  貴方の夫君の 落ち込みの因(もと)

□今はもう 〈いらない人〉へと転落か この思いこそ 〈自死願望〉まで

□うつ状態 盛んに〈自殺〉をほのめかす 認知症の人 敢行はせず

□本物の うつ病の人 時として 〈自死〉を選択 リスク確かに

□生真面目に 受け止めること逆効果 受け流していくのが 自然なノウハウ

[杉山代表]ーー「認知症」の病態と対応(お話しの続き)

□言ったこと 聞いたことをば たちまちに 〈忘れ去る〉こと これこそ病いよ

□何回も 何十回でも言ったとて 夫君は〈初めて〉 口にすること

□傍に居て 幾度となく聞かされる そんな辛さも 流して 流して

□折を見て 2階に用事を思いつき ペットの様子を 見に行くも良し

□切り替えて〈週に四日はデイサービス〉 その間 誰にも 邪魔をされない

〔A〕
〔Zさん(夫・軽度認知障害/MCI)を自宅で世話〕 


◇真夜中に 私を起こして夫(つま)は言う 〝一寸 話を聞いてくれよ〟と

◇眠れずに 翌朝 夫を送り出す 知らず知らずに 居眠りの我


[杉山代表] 

□それでいい 留守の時間を有効に 不眠解消 役に立つ筈

□〝昼間には 起きて居るべき〟無理もなし けれどもこの際 切り替え必要

□デイサービス 夫君の居ぬ間の居眠りも 〝いけなかったか〟 思ったりせず

□ありの儘 割り切り受け入れ さりげなく 抜け落ち未整理 有るかも知れぬが

□若いママ 大抵昼間も寝ています 夜泣きの不眠を 取り戻してる

□折よくも 夫君が出かけて留守だから この時間こそ 有効活用

□折角の 貴重な時間を有効に 〈睡眠〉もよし 〈観劇〉もよし

□自己犠牲 罪悪感など打ち払い 〝シメタ!〟と実行 これが大切

〔A〕
〔Zさん(夫・軽度認知症/MCI)を自宅で世話〕 


◇先生の お話伺い安堵する 我等の日常 「和やか」 再び

▽ワンチャンに 私も〝ごめん〟と謝って〝ケンカはよすから 安心してね〟と

▽愛犬は 主人の気持を察知する 二階へ去ること 二度とあるまい

(櫻久から) Zさん夫妻のその後については、以後のご参加がないため分りませんが
上の▽印の拙歌二首の如き、和みの日常になっていることを願います。
2017/06/27

「若年性認知症介護話短歌 (第六回)」

     [櫻久 介護話短歌](第六回)

(コメント)
① 支部代表・副代表・若年性認知症責任者及び当日の司会者はそれぞれ実名(苗字
のみ)を表記します。
②〔〕の中にA若しくはBとあるのは、病態の時期の表示とします。
[A]=初期 [B]=中期 [C]=後期。
③今回紹介する「介護話短歌」は、2012年(平成24年)5月開催の「若年性
認知症家族懇談会」からのものであります。  


〔B〕
〔Nさん(夫・60歳・アルツハイマー型認知症→前頭側頭型認知症?)を
自宅で世話・息子さんと娘さんとの4人家族〕


◇〝オカシイ〟と 気づき感じて〈12年〉 診断受けたは 〈9年〉前なり

◇初診時に 我等が知りたる病名は 「アルツハイマー型認知症」なり

◇無我夢中 この10年をば送りくる 様々辛苦を しのいで こなして

◇進行は わりとユルヤカ夫なり 身体元気に 階段スタスタ

◇先日の 脳のCT検査では 「前頭・側頭」 萎縮が進むと

◇前頭葉・側頭葉型「認知症」 その特徴 気配が 夫にも出る

◇物事の 〈激しい拘り〉夫(つま)に有り 「時間刻みの行動パターン」

◇腕時計 私に示して〝さぁ 行こう〟 決まった時間に 決まった行動

◇私への 依存度 極めて高い夫(つま) 単独行動 しないし 出来ない

◇パターンは 朝の9時には家を出て 昼には戻って 午後1・5時

◇これまでは 殆ど無かった「拘り」が だんだん顕著に 夫の病態

◇10年間 徐々に変化の病態は 「アルツハイマー」から「前頭側頭」へと?

◇行動と 時間に拘る夫(つま)の居て 「前頭側頭」 特徴と知る

◇発病時 〈物忘れ〉のみ顕著なり されども今では 「前頭側頭型の人」?

◇極端な 甘み嗜好も始まって 10時と3時に ケーキと コーヒー

◇春先は 病態 何かが揺れるのか 〈鏡と対話〉が 様変わりする夫(つま)

◇今までの 〈鏡と会話〉は ニコヤカで 洗面所に立ち 楽しんでいた

◇今年から 〈鏡と会話〉は不機嫌に 答えがないので 相手に 舌打ち

◇「鏡君」 ミケンにしわ寄せ 怒り出す 夫(つま)は恐れて 怒り倍増

◇洗面所 鏡の裏側 我娘(あこ)の部屋  父の興奮 静かに聞き入る

◇なお続く 父の怒りと興奮は 怒号を発して 足踏みするまで

◇耐えかねた 娘は自室にカギかける 父は反応 ドアをケトバス

◇この様子 見守る私の出番なり ドア ノックして わが娘(こ)に謝る

◇仕方なく 夫を連れ出し外出す 〈気分転換〉 唯一の手立てに

◇怒り出す 夫の様子は哀しかり 叩いて コズいて 私にホコ先

◇いろいろと 服薬調整試みる 〈レミニール*〉止め 〈メマリー*〉一剤

(*)レミニール/メマリー=両剤とも平成23年6月発売の「認知症新薬」

◇〈メマリー〉の 20ミリだけ飲む夫(つま)に 落ち着き戻って 静座の夕刻

◇これまでの 我の日常 落ち着かず 夫の見守り 子等への気配り

◇トータルで 〈座れる時間〉が一時間 夫の〈催促〉 絶えることなし

◇穏やかに 夫が過ごせる時間増え 私も漸く 〈テレビ〉観る時

◇この頃は 食事の作法が乱れ来る レミニール薬 止めたる為にか?

◇日常の 動作の失行* 増えたとて 穏やかに居る これが大切

(*)動作の失行=運動可能であるにもかかわらず目的どおりの運動や動作が出来ない
ことをいう。「高次脳機能障害」の一徴候で、「認知症」の症状の一つ。

◇本人は 〈散歩の中身*〉が分からない 付き添いヘルパー 困惑気味なり

(*)散歩の中味=障害者自律支援制度に定められている「移動支援給付」、平たく
言えば〈散歩ヘルプ〉。Nさんの夫君は、この支援の対象者。

◇決められた 〈散歩の介助〉に決まりあり 給付の対象 唯〈歩くだけ〉

◇夫には 〈散歩の中身〉は こだわりが バスや電車や 食事などなど

◇ヘルパーの 規律を夫は理解せず 怒り発して 〈散歩〉は中止に

◇毎回の 散歩の始まり 押し問答 夫は昂奮 ヘルパー叩いて

◇出発時 ヘルパー毅然と夫(つま)に言う 〝そういう乱暴 止めてください〟

◇ヘルパーの 毅然の態度を感ずるか 夫も素直に 〈散歩〉を始める

◇威張る時 素直にする時 即断し 言動柔らか 最近の夫(つま)

◇背の高い 息子が腕組み父の前 構えて見せると 忽ち 素直に 

◇〈なでしこ〉の 私を弱者と思い込み 威張ってもの言う 強者の夫は

◇かにかくに〈自分の時間〉は極く少(すく)な 起きてる時間は 近くに夫が

◇現今の 私の願いは唯一つ  夫に黙って 〈一人旅〉する

◇自己体験 積み上げた今 言えること サービス活用 〈自分の時間〉を

◇もう一つ 「介護保険」に不満あり 〈見守り介護〉の 給付がないこと


〔A〕
〔Tさん(妻・64歳・アルツハイマー型認知症を自宅で世話・介護職勤務の
娘さんが同居〕


◇診断後 妻の介護度〈要介護3〉 そのあと〈1〉へと下がって 今でも

◇朗らかな 妻の性格 幸いす 我等の生活(つたき)も 健やかに過ぐ

◇冬も去り 春の頃よりわが妻に 「周辺症状*」 明らかに出る

(*)周辺症状=「認知症」の病態で現れる〈徘徊・暴力・暴言・失禁」などの
日常的な生活症状のことを言う。昨今では「心理・行動症状」という。
但し、現れ方は十人十色。

◇〝いよいよか〟 内心自分に言い聞かせ 本格介護に ユトリを持ちつつ

◇春の午後 留守の私を探すため? 外へ飛び出し 近くの駅へと

◇〈ヘルパー〉*の 仕事で外出 我追って 妻は馴れてる 私鉄に乗り込む

(*)ヘルパー=Tさんは、妻が「認知症の人」になってから、行政主催の「介護
ヘルパー講座」を受講し、資格を得て、介護現場のアルバイトをしていました。

◇乗車した Y駅〈改札〉素通りし 降りた M駅 やっぱり素通り

◇家に居た 娘はあいにく〈夜勤明け〉 2階の自室で 睡眠中なり

◇頼みおく 娘は2階で独り寝る 妻の不安は いや増すばかりに

◇普段着で 普段の靴履き家を出る 〈徘徊〉ではなく 私を探しに?

◇街歩く 妻の様子を不審がる どなたか 妻をば 〈交番〉へと案内

◇夜勤明け 睡眠不足を補った 娘は正午に 階下へ降りたか

◇家の中 母の姿が消えている 慌てて連絡 わが〈仕事先〉へと

◇出先から 急いで戻って大慌て 娘と二人で 夜まで探索

◇普段履き 〈靴底のメモ〉生かされて 午後の8時に 連絡戴く

◇改めて 「身元照明」 身に付ける その大切さをば シミジミ体験

◇靴の中 〈氏名と電話の番号〉を 見つけてくれたる 〈ポリス〉に感謝す

◇住み暮らす 地元の役所が配布する 「身元照明・シール」を 紹介


 [杉山代表]

□「徘徊」は 突然始まる例多く 最初の行動 予測は困難

□出きるだけ 「徘徊シール」を本人に 持たせる習慣 つけるのが良し

□靴の中 「身元照明」最適と 〈警察〉などでも 勧めている箇所

□「衣服類」 一応装着すべきだが 種類が多く 当てには出来ない

□「GPS」 活用すること有りうるが  探索完璧 期待は控える

櫻久からの付記~Nさん夫妻の最近の様子は、私には伝わっていませんが、夫君は、
前頭側頭型認知症ながら、反社会的行為等の激しい症状は出ていないのは確かのよう
です。又、Tさん夫妻については、今後の回で、地元での〈カフェ〉の立ち上げ等、
その後の様子をお伝え出来ると思います。
2017/06/17

「若年性認知症介護話短歌」~第五回

     [櫻久 介護話短歌] (第五回) 

(コメント)
① 支部代表・副代表・若年性認知症責任者及び当日の司会者はそれぞれ実名(苗字
のみ)を表記します。
②〔〕の中にA若しくはBとあるのは、病態の時期の表示とします。
[A]=初期 [B]=中期 [C]=後期。
③今回紹介する「介護話短歌」は、2012年(平成24年)5月開催の「若年性
認知症家族懇談会」 からのものであります。  


〔A〕
〔Kさん・息子さんも参席(妻・62歳・アルツハイマー型認知症初期)を勤務先を
持つ一方で、自宅で世話・息子さんも協力〕(初参加)

◇四年前 妻から会社に電話あり 〝ドロボウが来て 鍵を盗られた!〟と

◇仕事中 私もいささか驚いて 〝警察を呼び 話をしなさい〟と

◇一騒ぎ 警察が来て落着す されども騒ぎの 〈引き金〉は何?

◇帰宅して 妻の話はどことなく 〈チグハグ〉なれども 追求はせず

◇盗まれた 鍵の悪用防ぐため 〈家の戸の鍵〉 一先ず 一新

◇日が過ぎて トイレの見えない所から 盗られた筈の 〈前の鍵〉発見!

◇〝オカシイ〟と 感じたけれども様子みて 何事もなく 過ぎたる一年

◇一年後 妻に異変が現れる 「同じ言葉を、何度も何度も」

◇今しがた 言った言葉を忘れては トッピな話をする 妻が居る

◇妻の役 現役退たる盲導犬 ラブラドール 二頭の世話なり

◇二年前 何時ものように犬散歩 他人(ひと)とぶつかり 転んで気絶す

◇幸いに 息吹き返して傍らの 二頭の犬と 帰宅する妻

◇その当時 妻は眼科に通院す 〝視野欠損あり〟 言われて驚く

◇眼科医の 勧めもあって早速に 〈脳神経外科〉へと 妻を連れ往く

◇CTの 検査も受けたが 〝特別に脳のキズなど 異変はない〟とか

◇「視野欠損」 〝緑内障とは思えない〟 眼科医はいう 原因不明と

◇〈もの忘れ〉 しきりに現出 今の妻 〈息子の結婚〉 影響懸念す

◇去年(こぞ)の夏 何とか説得 連れていく 〈物忘れ外来〉 妻は受診す

◇検査受け 〈MRI〉と〈CT〉を 「海馬」の萎縮が 少々と知る

◇知らされる 〈妻の病名〉改めて アルツハイマー病 初期の段階

◇診断後 初めて〈薬の処方〉あり 「アリセプト」なり 思い複雑

◇本人も 自分で調べて思案顔 〝副作用有る アリセプトはいや〟

◇初期症状? 妻は表情硬くして 〈感情的なる 物言い〉 増え来る

◇離れ住む 私の母との長年の 折り合いギクシャク 病の引き金?

◇病み至る 実家の父をば見舞わんと 通う私に 妻は冷ややか

◇一度出た 〈怒りの感情〉跡引くか 事々に出る 我へのイラ立ち

◇思い立ち 別の専門クリニック 妻は受診す 「リバスタッチ」(*)に
(*)リバスタッチ=平成23年6月発売の認知症薬の一つ、形態は貼り薬

◇貼り薬の リバスタッチを二月から 〝薬効如何〟と 妻を見守る

◇姑と 葛藤長年 妻なれば その鬱積を 今 我に吐くにや

◇長年の 嫁と姑の葛藤が 〈気持のシコリ〉か 妻に残存?

◇耐える今 妻の罵倒と悲憤をば 病気*が原因? 〝仕方がないかな〟
(*)病気=此処では「認知症」のこと。

◇明らかに 病態進むか此の頃は 〈もの盗られ妄想〉 妻に時々

◇一週間 やむなき〈出張〉我にあり 息子に依頼の 母の看護り

◇福島の 妻の実姉が心配し 私の留守中 妻の傍ら

◇出張を 終えて私が帰宅する 姉が戻ると 〝物が盗られた!〟と

◇〝そういえば 大きな荷物を背負ってたわ〟妻の妄想 たちまち作話(さくわ)に

◇この作話(さくわ) 否定の私に激昂す これも〈症状〉 受け入れるしかない

◇以前から 妻は愛着 漢方薬 仕舞い込んでは 行方不明に

◇〝無くなった! 盗られちゃったわ 誰だろう?〟 悲鳴 落胆 妻は混乱

◇妻は言う 〝私の大事なお薬を 貴方は姉に上げたんじゃないの〟

◇〝そんなこと 絶対してない〟 言う私 いきり立つ妻 怒り倍増

◇困惑を ほどいて対処の仕方知る 息子と私の 今の渇望

◇入浴中 〝誰かが覗く〟と悲鳴上げ  妻に「幻覚」 出ることもあり

◇あと数年 勤務の必要 我にあり 妻の日常 対処をどうする

◇ご近所の 人との会話は普通なり 〈他人対応*〉 シッカリの妻
(*)他人対応=『杉山本』ーー認知症について理解するための9大法則・1原則」の
中の第3法則~自己有利の法則(他人と対する時、自分に不利なことは認めずに
巧みに振舞う。)

◇懸念する 「介護保険」の認定は こういう妻なら 〈却下〉となるのか?


[杉山代表]

□大丈夫 「介護保険」は心配ない 申請書類を しっかり書くこと

□一番に 身近な人には キツクなる 「出現強度の第2法則*」
(*)第二法則=『杉山本』ーー認知症について理解するための9大法則・1原則」の
中の第2法則~症状の出現強度の法則(相手が身近な人であればあるほど、症状を
より強く出す)

□自己にとり 不利な事柄認めない 第3法則(*)「自己有利」となん
(*)第3法則=自己有利『杉山本』ーー認知症について理解するための9大法則・
1原則」の中の第3法則~自分にとり不利なことは認めない(他人には自分をよく
見せようとする)

□まさに今 二つの法則 当てはまる 〔KT婦人〕は その渦の中


〔A〕 
〔KTHさんの息子さん(実家の近くに世帯を持ちながら折にふれて両親を支援)〕


◇折を見て 実家に戻ってケアする 割と素直に 落ち着いている母

◇職場から 服薬忘れる母に言う 電話の向こうで 泣き出すことあり

◇思い込み 父への悪口 母に出て 我の気持の 複雑悲しく

◇思わずも 父を弁護の言葉出る 母の反応 極めて病的

◇〝誤解だよ〟 我の〈否定〉の一言に 母は怒りの 言葉噴出

◇気づきあり 〈否定〉はならじと直ぐ後で 〝そうだねそうだね〟母は和らぐ

◇それ以来 母の怒りに頷いて 〝そうだね〟続ける 対応覚える

◇簡単な 料理・買物 出来る母 見た目は到底 病気*と思えず
(*)病気=母の抱えた「認知症」のこと。

◇広がって 母の〈妄想〉広がって 〝こんなになったの おかあさん*のせい〟
(*)おかあさん=此処では息子さんから見て、父の実母(祖母)、つまり母との関係
では姑)のことを指す。

◇病識を 持つか持たぬか ツブヤキは 〝ちっともよくはなりそうもない〟と母

◇もう少し 母の日常落ち着いて 安らかなること 我は渇望


〔櫻久の感想歌〕

▽息子さん 〝否定はよくない〟気づきしは 素晴らしいこと 「介護の基本」に

▽お母さん 今は様々口にする 感情そのまま 「認知症の人」

▽否定せず 割り切り微笑(ほほえ)み受け入れる〈和みの介護〉の大事なステップ

櫻久からの追記~今回の介護話短歌のうち、上の▽印で掲げた三首は、私櫻久が、
ブログへの書き込みに当たって、吟味をさせていただいた際に詠いこんだ拙家である
ことをお断りします。又、今回の介護者〔Kさん〕親子の参加は、24年9月回及び
26年5月会の二回ありましたが、以後の情報は特に承知しておりません。

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2017/06/07

若年性認知症介護話短歌~第四回

   [櫻久 介護話短歌] (第四回)

(コメント)①支部代表・副代表・若年認知症責任者及び当日の司会者はそれぞれ
実名(苗字のみ)を表記します。
②〔〕の中にA若しくはBとあるのは、病態の時期の表示とします。A=初期
B=中期 C=後期。
③今回紹介する「介護話短歌」は、2013年5月開催の「若年性認知症家族
懇談会」からのものであります。 

〔B〕
〔Uさん(夫・64歳・脳血管性認知症)を自宅で世話〕

◇わが夫(つま)は 「脳血管性認知症」 8年前から「つどい」に参加

◇初診時に 「認知症」とか告げられて 〝治りませんか〟と尋ねてしまう

◇懸命な 我の質問 受けて言う 〝治りませんね〟と 医師は静かに

◇「不治」と知り 思いなおして発奮す 夫を伴い 諸所のイベントへ

◇ケイレンやパーキンソンの症状*が 「脳血管性」ゆえ 徐々に出て来る
(*)パーキンソン症状=「パーキンソン病」の症状に似た〈にぶい体の動き〉や
〈小刻み歩行〉などの症状。

◇最近は 自力歩行が難しく 何処へ行くのも 「車椅子」の夫(つま)

◇出来ること 日替わり模様で出入りする 「まだら世界」と 後で知るなり

◇分かること 分からないこと入れ替わる 「マダラ世界」が 夫の日常

◇「杉山本」〈第4法則*〉そのままに 自由自在の 夫(つま)の毎日
(*)杉山本/第4法則=杉山孝博著『認知症の理解と介護』・(理解のための9大法則
・1原則/第4法則)しっかりした状態と「認知症」の症状が、一人の中に
混在する。

◇「ショート」には 〈4泊5日〉を月二回 夫を預ける プログラムする

◇「ショート」では 夫はほとんど眠らない「連絡ノート」にそういう記録が

◇夜 家出 夫はベッドに腰掛けて 自力で仰臥が 出来ないでいる

◇傍に寄り 手助けしながら横にする 夫の眠りは 此処から始まる

◇この眠り 長くも深くも続くなり 夜昼通して 〈24時間〉

◇人間は かくも続けて眠れるか 何かを必死で 取り戻す夫(つま)

◇翌々日 目覚めて極めて機嫌よく 普段の夫に 戻る不思議さ

◇食事時 自然と口が開(ひら)けない 一口食べるに とても時間が

◇時として 私がムリヤリ食べさせる 〈食欲〉あるのが救いになってる

◇困惑の 今一番の問題は 自力で「食事を続けるノウハウ」

◇自分でも 〈自力摂食の〉気持あり 食事の時間は 一時間半

◇外出時 街での食事はやむをえず 私が介助し なるべく急いで

◇かねてより 「特養入所」も考える けれども なかなか決断出来ずに

◇最近は 地元の「サロン*」に夫(つま)共に 参加し仲間と オシャベリ楽しむ
(*)「サロン」=〔Uさん〕が中心になって、地元で定期的に開いている
「認知症の人と家族」が集まるサロン。

◇近々に サロンの仲間と温泉へ 日帰りなれども 心待ちする

◇夫(つま)共に サロンの和楽で癒される 「自宅介護の支え」になってる

◇自然体 私が在ることそれこそが 夫の日常 和楽の力に


[杉山代表]

□〔Uさん〕も 食事は大切 工夫して〈小さなオニギリ〉試してみるのが


〔B〕
〔Uさん(夫・脳血管性認知症)が口が開けられなくなっていることを心配〕


◇〈オニギリ〉は 確かにいいかも知れません 〝早速 夫に試してみましょう〟

[杉山代表]

□〈オニギリ〉を 食べようとする時 不思議にも〝自然に口が開く〟とされてる


〔B〕
〔Uさん(夫・64歳・脳血管性認知症)を自宅で世話〕


◇パン好きの 夫は朝食パンばかり 〝明日はパンにしてくれよ〟と言う

◇夕食時 我等夫婦は〈ビール〉飲む 主食はなるべく ご飯にしてます

◇わが夫(つま)も 既に「童子(わらし)に還ってる」 突然 私に「仕事」を呉れ
ます

◇外出の 支度終わって〝出掛けましょう〟 間髪入れずに〝〈大〉の方だよ〟

◇折角の 支度を外して〈衣更え〉 〝ホントに 頭に来ちゃうんだから!〟

◇取替えを やってる私の傍(そば)に立ち 私の頭を撫でてる夫が!

◇無邪気なの? それとも内心分かってる? とにもかくにも 〈童〉そのまま

※25年5月懇談会での[杉山代表]への質問の中から

〔質問者氏名?〕~夫(若年性認知症)の症状/記憶の逆行とどう向き合えばよいか

◇わが夫(つま)は 〈離婚体験〉一度あり 〈私と前妻〉 ダブッテ認識
ーー夫は、私と結婚する前に、一度〈離婚〉をしていて、「認知症」を病んでいる
今では、前妻と私とがダブッテいるみたいなんです。

◇いろいろと 言葉を尽くして説明し 解こうとしたとて 空回りする
ーー私も、言葉を尽くして、いろいろと説明をするのですが、夫は、これまで自分が
辿ってきた道筋が呑みこめないらしくて、何としても、スッキリしないんです。

◇話(はなし)して 何度も話して〈慰め〉て 努める私に 夫は〈困惑〉
ーー何度も何度も、これ迄のことを繰り返して話をしても、夫は、唯、困惑する
だけなのです。

◇伺いたい 「離婚の経緯」や「和解」など 今の夫に 説明すべきか
ーー伺いたいことは、夫と前の奥さんが〈離婚〉に至った経緯や、成立した「和解」
の内容などを、夫に説明したほうがいいのでしょうか。

◇このままで この先一緒に暮らすこと 〈誤魔化し〉みたいで 不快なりせば
ーー私としては、このまま、あいまいにしておいて、この先、一緒に生活をしていく
ことが、何となく〈誤魔化している〉ようで、不愉快なんです。


[杉山代表]

□そのような 夫君の状態 何故起きる 様子の〈中味〉を お話しましょう
ーーお話のような、ご主人の「妻の混同の思い」が、なぜ沸いてくるのか、その
理由(わけ)をお話しましょう。

□「記憶」とは 昔にだんだん遡り 〈失われていく傾向〉があり
ーー「記憶」とは、中枢の働きの一つですが、昔に徐々に遡っていくのです。
「認知症の人」は、これがハッキリと現れます。私達も、日常でよく言う言葉は、
〝昔のことはよく覚えている〟です。

□このような 「記憶の逆行性喪失*」は 「認知症」での 主(おも)なる症状
(*)記憶の逆行性喪失=現在から過去に遡って忘れていく。(『杉山本』・
「認知症」を理解するための9大法則・1原則の第1法則「記憶障害に関する法則」
の特徴の一つ)
ーーこれを、「記憶の逆行性喪失」と言っていますが、「認知症」の主な症状なの
です。

□遡及する 場面で次々現れる 前妻・旧宅・青年時代が
ーーご主人の記憶が遡っていくにつれて、前の奥さんのことや、昔住んだ家の
ことや、青年期の頃のことを思い出して、その世界に入っていくのです。

□しかれども かくなる「逆行」固定せず 短い時間で 次々変化す
ーーけれども、この逆行で生じた「記憶像」は、そのまま定着するということは
決してありません。短い時間で、次々と遡りながら動いていきます。

□対応の 原則 基本あり 場面を推察 話を合わせる
ーーこういう「記憶の逆行」が出た時の、奥さんの対応の仕方には「基本」があるん
です。それは「その場面を推察して、ご主人と話を合わせていく」ということです。

□その対応 出来うるかぎりで 和やかに 否定や説明 無用のことなり
ーーこの時の対応の仕方は、出来るだけ「和やかにする」ことが大切です。
〝そんなことはない(否定〟)とか〝本当はこれこれだった (説明) 〟というふうに
言ってはいけないのです。

□否定とか説明 「感情」刺激して 困惑・不安を もたらすキッカケ
ーー否定したり、説明したりするのは、逆にご主人を考え込ませたり、不安にさせ
たり、困惑させたりしてしまうからなんです。

□さり気なく 夫君の話を受け入れて 合わせていきつつ サラリと切り替え
ーー奥さんの対応の仕方は、「さりげなく」ご主人の話すことを「受け入れて」、
〝そうね〟とか〝そうだったの〟と言いながら、自然に〈別の話題〉に移していく
ようにするのです。

□〝今度また 機会があったらそちらまで ご一緒しましょう〟とさりげなく言う
ーー調子を合わせるには、例えば、〝今度、機会があったら、貴方の昔の家のある
ところへ行ってみましょうね〟というふうに、さりげなくいうといいでしょう。

□「正確」を 期そうとするのは禁物で 〈教える・説得・否定〉を避ける
ーー敢えて、ご主人の「記憶の正確さ」を求める必要はないのです。教えるとか
説き伏せるとかは無用ですし、ましてや〈否定〉などは決してしてはなりません。

□食べ物や お茶のことなどさりげなく 話題切り替え 和顔のムードで
ーーこの「記憶逆行」の思いから、ご主人を解放する為の良いやり方としては、
話題を変えることですが、この話題としては、食べ物とか、お茶菓子とか、飲み物
などが無難です。合わせて〈和やかなムード〉に徹することです。

□和みつつ 優しい和顔の対応で 〈夫君の不安〉は 必ず払拭
ーー優しく、和やかにユックリと話をしていけば、ご主人の〈不安〉は、必ず取り
払うことが出来ることを確信してください。

[杉山代表]ーー「記憶逆行」に関わる一女性の話(症例紹介)

□結婚と 離婚を再三した女性 〈苗字〉複数 記憶の〈倉庫〉に
ーー結婚と離婚を何度か体験した一人の女性がいます。彼女の「記憶の蔵」には、〈
複数の苗字〉が詰まっています。

□この人の 病態進行 当然に 〈記憶の逆行〉 様子は明らか
ーーこの「認知症」の女性の病態が進むにつれて、この再三の〈結婚と離婚〉の、
いろいろな記憶が、複雑に絡み合って、蘇ってくることは当然です。

□遡及した 記憶の世界でにこやかに 語る女性は 旧姓の人
ーーこの女性が、にこやかに昔の話をする時は、「旧姓の頃」に還っていることは
明らかなんです。

□逆行で 達した世界に居る時は 〈正確記憶〉を トツトツ喋(しゃべ)る
ーー逆行することで戻った世界にいる時の、この女性の話すことは、「物忘れ」とは
無縁な正確性をしっかりと保っているのです。いささか、奇妙に思えますが……。

□このことは 別段不思議なことでない 彼女にとっては 「日常世界」ぞ
ーーでも、別に不思議なことではないのです。なぜなら、彼女の居る世界は、
「認知症の人の世界」ではなくて、「ごく当たり前の世界」だからです。

□このように 〈割り切り・受け入れ〉培って「気持を楽に対すること」のよき
ーーここ迄お話すれば、お分かりと思いますが、ご本人が、「記憶逆行の世界」に
入った時は、こちらは、「割り切り」と「受け入れ」に徹して、〈和やかな対応〉に
徹することです。このことを、培っていくことが「介護の秘訣」なんです。


〔質問者氏名?〕~夫(若年性認知症)の症状/記憶の逆行とどう向き合えばよいか

◇今はまだ 夫の話に〈嫌悪〉して 落ち込み居るのが 我の日常
ーー今はまだまだ、主人の〈昔の話〉を聞かされるのがイヤで、ガマンしながら聞く
うちに、だんだん落ち込んでしまうだけなんです。

[杉山代表]

□気を楽に 優しく応じてあげるなら 夫君も〈安心〉 戻ってくれます
ーーご主人の話に、引き込まれるかも知れませんが、もっと、気持を楽にして、
優しく応じてあげれば、ご主人も〈安心〉をして、〈こちらの世界〉に戻って
きてくれる筈です。

〔質問者氏名?〕~夫(若年性認知症)の症状/記憶の逆行とどう向き合えばよいか

◇哀しかり 夫はトツトツ語りだす 私を〈以前の奥さんにして〉
ーー主人は、一旦、離婚前に戻ると、私のことを〈前の奥さん〉だと思いこんで、
何か、昔のことを、とめどなく話し出すんです。聞いていて、もう〝哀しくて〟
仕方がないんです。

[杉山代表]

□そのような 場面があるのも〈病態〉で 「認知症」故 ありうることなり
ーーそのような、奥さんには辛い時間があるかも知れませんが、これもご主人が
「認知症の人」であるからこその、病気の状態の一面なんです。
そのことを、「割り切って」いくことです。

□困るのは そういう場面が増えること 〈和楽の対応〉 必須となる筈
ーー病態が進行している一時期、そういう場面が増えると思われますが、大切なのは
、「和楽の雰囲気」を、出来るだけ保つことなんです。これが「認知症の人」と
対する時の、大切な〈コツ〉になります。

□割り切って 〈和楽の対応〉続ければ 夫君の様子も 変わっていく筈
ーー今、言いましたように、「割り切り」に徹して、〈和楽の対応〉を保っていく
ならば、ご主人も、「記憶の逆行」の虜から解放されていくことは確かです。

□そうすれば 夫君の貴女を見る目つき 〝どこかの優しい人〟になる日が
ーーそのように〈和楽のムード〉を保つようにしていくならば、必ずや、ご主人の〈
目つき〉も、変わってくる筈です。〝自分の妻だ〟と思ってくれなくても、
〝何処かの優しい人だ〟とは思ってくれることは確かです。

□自分には 「何処かの優しい人が居る」 夫君の思いが そうなるのがカギ
ーー「妻の認識」を取り戻す迄にはいかないかもしれませんが、ご主人が、〝自分に
は、優しくしてくれる人がいるんだ〟と思ってくれることがカギになります。

□夫君との 日常〝何時かはそうなる〟と 覚悟をするなら かえって気楽に
ーーご主人が、「伴侶の認識」を失くしてしまうかもしれないにしても、「自分の傍
には優しい女性がいる」ことを認識するようになれることが大切で、何時かは、その
ようになることを受け入れていけば、気持も楽になるんです。

〔質問者氏名?〕~夫(若年性認知症)の症状/記憶の逆行とどう向き合えばよいか

◇先生の 仰る「対応」 解ります 難しいけれども 努力惜しまず
ーー先生の仰ることは、難しそうですが、よく解ります。私も、そういうふうに
なれるように、惜しまずに努力してみることにいたします。有難うございました。

(櫻久からの付記) 最初の〔Uさん〕の現在のご様子については、特別の情報は
ありませんが、依然、ご自宅での日常を、「介護保険サービス」を活用しながら
続けておられるものと拝察します。又、後半の「質問事例」につきましては、テーマ
が微妙であるため、敢えて、杉山代表及び質問者のお話を詠み込んだ短歌について、
〈言葉書き〉を加えました。文責は全て櫻久にあります。


2017/05/27

「若年性認知症介護話短歌」~第三回

                 [櫻久 介護話短歌](第三回)

(コメント)①支部代表・副代表・若年認知症責任者及び当日の司会者はそれぞれ
実名(苗字のみ)を表記します。
②〔〕の中にA若しくはBとあるのは、病態の時期の表示とします。A=初期 
B=中期 C=後期。
③今回紹介する「介護話短歌」は、2013年5月開催の「若年性認知症家族
懇談会」からのものであります。 
    

〔A〕
〔Sさん(夫・64歳・アルツハイマー型認知症)を自宅で世話〕(初参加)

◇わが夫 二年前から異変あり 覚えていたこと 忘れてしまう

◇心配し 夫の主治医に尋ねても 〝普通の老化〟と 言われてしまって

◇自宅前 歴史の長い病院で 夫(つま)を説得 受診に導く

◇その時も 診察医師の一言は 〝定年近いと 皆さん同じに〟と

◇この病院 外来受け持つ先生が 時折り交代 〈新たな先生〉

◇次の時 担当替わって新人の 医師の診察 かなりの丁寧

◇突然に 診察終わって告げられる 〝貴方の病気は「認知症」です〟と

◇帰宅した 夫はその日の〈診察〉の 様子を詳しく 私に報告

◇カバンから 取り出す薬の処方箋 覗いてビックリ〈アリセプト〉とあり

◇かねてより 聞いて知ってたこの薬 認知症薬 初めて手にする

◇病院へ 急いで駆け込み医師に会う 改めて聞く 夫の「病名」

◇医師に訊く〝検査をしなくていいですか〟医師の答えは〝その必要なしです〟

◇それからは 何かスッキリしないまま 夫はそのまま 「アリセプト」飲む

◇その病院 外来医師は交代性 時折り替わって 当惑ばかりが

◇三回目 新任医師から告げられる 〝キチンと検査を受けてください〟と

◇改めて 夫(つま)を伴い受診する 「TK大学」の付属病院

◇CTや MRIなど いろいろと 検査を済ませて 医師の「診断」

◇専門医 夫を凝視しハッキリと〝貴方の病名 アルツハイマー型認知症〟と


〔A〕
〔Sさん(夫・64歳・アルツハイマー型認知症)を自宅で世話〕(初参加)
(お話の続き)

◇皆さんの お話伺い納得す 夫の様子の 「似たり寄ったり」と

◇〈空間〉や〈覚えること〉などあいまいに 夫はテレビも 楽しめなくなる

◇日常の 生活動作に障りなし 時に私は イラツクけれども

◇今は未だ 日常生活不自由せぬ 「介護保険」は 未申請なり

◇〝受けなさい〟言われているけど〝まぁいいか〟私の考え〝違っているかも〟

◇この会に 夫を残して初参加 〝二人で来るにはどうすれば〟と悩む

◇「会」を知り 参加を何度も誘っても 頑固に〝イヤダ〟と言い続ける夫(つま)

◇歩くこと 一日一万 ノルマとし 夫は励行 日課にしてます

◇今はまだ 独りで出かけて〈巡歩〉して 迷子にならずに 帰ってくる夫(つま)

◇このところ 夫に出てきた不具合は 電車の乗り降り 独りでは〈ムリ〉

◇何となく〈距離〉や〈高低〉掴めずに 足の踏み出し〈不安〉になるらし

◇乗る時と 降りる時には手を出して 私の腕など 掴む夫に

◇パソコンも 好きな囲碁まで避けている 夫の中では〝何かが変わった?〟

◇日常の 出来ていたこと少しずつ 不具合になるのを 見るのはつらいが

◇夫(つま)は今 〈64歳〉まだ若い 何を考え 何を悩むか

◇でも今は 夫は穏やか〈買物〉も 今迄どおりに キチンとこなせる


[小林司会]

◆出来るだけ 早い機会に取っておく 「介護保険」は 必ず役立つ

◆万が一 貴方にトラブル遭った時 「ショートステイ」が 夫君の避難所

◆我々も 先輩・仲間の助言受け 「介護保険」の 有用さ知る


 〔A〕
〔Sさん(夫・64歳・アルツハイマー型認知症)を自宅で世話〕(初参加)

◇よく分かる 「介護保険」の大事さが お話伺い 早速「手続き」


[杉山代表]ーー「つどい」への参加をイヤがる「認知症の人」には(助言)

□「認知症」 発症間もない初期の人 〈つどい〉へ参加を嫌がることあり

□「つどい」への 参加を嫌がるご本人 連れ出す手立ては いろいろとあり

□さりげない 誘いの仕方は「願う」こと 〝私と一緒に行ってください〟と

□同伴の 願いの理由を一つだけ 〝私が仲間に会いたいからです〟と

□「催し」の 中味は詳しく言わないで〝お願い〟すること それだけにする
ーー「催し」の中味を、詳しく話をする必要はありません。唯、〝お願いする〟
だけでいいのです。それも、〝さり気なく〟です。

□一度でも 参加をしたなら分かるはず 〈仲間〉がいるので 緊張無用と

□それからは 進んで参加をする人も 「仲間に会える」 喜び楽しみ

□本人の プライド刺激をシナリオし〈ドラマ仕立て〉で〝お願いする〟こと


[杉山代表]ーー〈初診〉にこぎつける為のシナリオ一本 

□「初診断」この場に行くのも同様で 〈シナリオ〉作って 演技すること

□スムーズな 〈シナリオ〉一本紹介す 「健康診断 付添い依頼」の

□前もって 病院・医師とも相談し 「診察の場」 作っておくこと

□筋書きは 「健康診断」想定し 〝一緒の受診〟を 持ちかけること

□あくまでも〝お願い〟すること一本で 〈敬意を表するシナリオ〉が良い


[杉山代表] (お話の続き)

□察するに 「つどい」の空気が若しかして 夫君*の怒りを呼ぶこと懸念か
(*)夫君=此処では〔Sさん〕の夫君のこと。

□実際は それほど懸念に及ばない 夫君は必ず 上手に対応

□初対面 見知らぬ人との応対を 認知症の人 見事にこなせり*
(*)「認知症の人」の対応力とは?=杉山孝博著『認知症 理解と介護』の中の
「9大法則・3原則」の第3法則/「自己有利の法則」を参照

□正確な 細かい説明〈不要〉なり かえって夫君の 感情刺激す

□催しの 中味はぼんやりさせたまま 願って頼んで 一緒に参加を


〔A〕
〔Sさん(認知症初期の夫と「つどい」に一緒に参加したいが……)〕

◇先生の 今のお話分かります 次回は必ず 〈二人〉で参加を



〔A〕
〔Rさん(夫・60歳?・脳下垂体線種切除後)を自宅で世話〕

◇わが夫(つま)の 日常異変に気づきしは 五年ほど前 〈電話応対〉

◇実姉との 電話を終えたる夫(つま)に問う〝お元気でしたか?お姉さんは〟と

◇この問いに すらりと答える夫(つま)が居た〝最近 姉とは話していないよ〟と

◇直前の 姉との会話を忘れてる 〝なんだかオカシイ〟 ショック覚える

◇決心し とにかく一緒に病院へ 夫は受検す 「脳のCT」

◇病名を 尋ねる私に医師は言う 〝「脳下垂体線腫*」です〟と
(*)脳下垂体線腫=大脳の下にある「脳下垂体」に出来る「線腫」

◇〈顔丸く 手足も太い*〉夫(つま)となる 病名言われて 気付かされた我
(*)丸顔・手足の肥大=体内の各種ホルモンを司る脳下垂体の線腫により起こる
病変の一つ。

◇直ぐ「手術」 と言われて夫は入院す 無事に終わって 回復得るなり


〔A〕
〔Rさん(夫・60歳?・脳下垂体線種切除後)を自宅で世話〕(お話の続き)

◇一年後 「高校野球」を観戦す 好きな夫(つま)の 夏の楽しみ

◇帰宅した 夫(つま)に尋ねる何気なく 〝今日の試合はいかがでしたか?〟

◇驚いた 〈試合の模様〉を忘れてる 夫(つま)に始まる 「丸ごと忘却」が

◇これまでは 試合の様子をこまごまと 話して楽しく 反芻した夫(つま)

◇早速に 夫(つま)と一緒に病院へ 今度の病名 「健忘症」とぞ

◇それ以来 「アリセプト5ミリ」を服用す 〈記憶を損ねる病気〉と納得

◇症状が 広がって来たのか去年から 〈道に迷って〉 警察の世話

◇「アリセプト」 去年の暮れから〈10ミリ〉に 更に飲み出す「メマリー
15ミリ」も

◇去年(こぞ)の暮れ 「幻覚」夫は訴える 「メマリー」服用 副作用にや

◇「幻覚」を 夫の主治医に訴えて 収める薬の 処方を戴く

◇「幻覚を抑える薬」の服用で 夫は落ち着き 眠りも十分

◇先ほどの 〔Dさん*〕とも同様で 「車大好き」 ウチの夫も
(*)〔Dさん〕=ブログ第一回で取り上げた「アルツハイマー型認知症」の人

◇交差点 〈赤信号をば通過する〉 助手席の我 〝これはアブナイ〟

◇幸いに 車もバイクも人もなく 〈事故〉にはならずに 「気付き」戴く

◇早速に 夫(つま)とよくよく〈話〉して 「免許証」をば 返納しました

◇5年前 夫(つま)は「定年」迎えたが 会社に言われて 勤務継続

◇職場から 自宅の私に電話あり 〝私の居る場所何処なんだろう〟

◇帰宅時の 遅れる毎日続いたり 通勤経路を 〈行ったり来たり〉す

◇症状の かなりの進行知らされる 夫の〈退職〉 一月(ひとつき)前なり

◇会社とも 合意の上での円満な 〈退職〉が出来 私も安堵す

◇「退職」し 夫も気持が安楽に 私も〈安否〉の  懸念が激減

◇この4月 「人間ドック」を受けた夫(つま)〈腸の疑念〉で 一泊入院

◇その夜に 夫は突然大混乱 病院スタッフ 迷惑かけたり

◇〝此処はどこ?〟 夫は不安に駆られたか 荷物を纏めて 病院逃げ出す

◇五年前 「脳下垂体線種」手術後は ホルモン剤をば 服用の夫(つま)

◇三年後 ホルモン剤のみ中止する 〝「脳下垂体線種」完治〟と言われて

◇今はもう メマリー飲むのも止めていて アリセプトだけ〈10ミリ〉を飲む

◇申請し 「介護保険」を受ける夫(つま) 今の介護度 〈要介護1〉

◇窓口で この「会」のこと教えられ 夫を誘って 夫婦で来ました

◇今はまだ 夫の〈日常動作〉など 自立を保って 思い通りに

◇ただ既に 「認識障害」気配あり 備えた〈灯油を庭に撒く〉夫(つま)

(櫻久からの付記) 今回、最初に取り上げた〔Sさん〕(初参加)は、三年間程参加
なさらなかったですが、先の5月7日に開かれた「家族懇談会」へ久しぶりに参加
なさり、夫君のその後の病態の経緯、現在のご様子などをお話しくださいました。
又、二人目の〔Rさん〕につきましては、平成26年以降参加は途切れており、夫君
のご様子は分かっておりません。
2017/05/17

若年性認知症介護話短歌~第二回

                [櫻久 介護話短歌](第二回)

(コメント)①支部代表・副代表・若年認知症責任者及び当日の司会者はそれぞれ
実名(苗字のみ)を表記します。
②〔〕の中にA若しくはBとあるのは、病態の時期の表示とします。A=初期 
B=中期 C=後期。
③今回紹介する「介護話短歌」は、2013年5月開催の「若年性認知症家族
懇談会」からのものであります。 


〔B〕
〔Hさん(妻・60歳・アルツハイマー型認知症・入院中)を通院して世話〕  

◇60歳 妻の診断8年前 〈52歳時〉「アルツハイマー型認知症」

◇診断時 8年前から続け来る 「うつ病治療」も 快癒得られず

◇疑念持つ 妻の年齢〈四十八〉 既に徴候 「認識障害」

◇感知する 微かながらも異変あり 〝「認知症」では?〟 妻の日常

◇診断後 語りつくせぬ波乱あり 妻と私の 「葛藤の日々」

◇初期の頃 十人十色の差はあれど 「中核症状*」 やがて顕著に
*中核症状=記憶・見当識・判断などに障りの出る「認知症」の基本の症状。

◇4年前 「家族の会」へと入会し 先輩・仲間に 様々教わる

◇〈中核〉と〈周辺*〉〈症状〉あるという 病態様々 〈十人十色〉と 
(*)周辺症状=「認知症」の病態進行により現出する症状。2014年からは
「心理・行動症状」と呼ぶようになっている。

◇混乱期 妻と私の葛藤は 〈非難・言い訳・イガミ合い〉の坩堝(つぼ)

◇話聴き 助言も戴き教えらる 「認知症」という 「病」の深さを

◇納得で 前が開(ひら)けたわが思い 妻への対応 基本は「笑顔」と

◇入院後 二年半経つわが妻の 先の生活(つたき)に 思い悩めり

◇「特養」に 〈入所申請〉済ませるも 「入所を許可」との 知らせ来たらず

◇期待する 「特養」一ヶ所あるものの 妻の順位は 「130番」なり

◇〝順番が 10位ですから面談を〟 電話が入った 別の「特養」

◇見学を させてもらった「特養」の 入所者殆ど 〈超高齢者〉なり

◇入所者の 殆どの方 車椅子 〈寝たきり生活〉 驚くばかりに

◇わが妻は 未だ〈60歳〉にて元気なり 院内廊下を 巡回の日々

◇〈会話好き〉 機嫌のよい時ニコニコと 一度切れると 大声の妻

◇「木曜会*」 楽しみ帰院のその夜に 妻は発熱 〈38度〉に
(*)木曜会=神奈川県支部が、毎月第一木曜日に実施している本人・家族・世話人
・サポーター合同の行楽や見学を主軸にした「外歩きのつどい」

◇病院の 適切対応 有難し 妻の発熱 無事に収まる

◇入院を 続ける理由はここにあり 突如の発病 凌げる環境 


〔B〕 
〔Hさん(妻・60歳・入院中の今後をどうするかについて熟慮中〕(お話の続き)

◇〝順番が 遠くなるのはなぜなのか〟 「特養」窓口に 問いただしてみる

◇スタッフは 幾つか質問我にして 〝それではこちらも話し合います〟

◇スタッフの 最初の質問 何気なく 〝奥さん「徘徊」 如何でしょうか〟

◇率直に 私も答える有りのまま 〝毎日廊下を 歩いています〟と

◇この答え いささか驚くスタッフは 思わず笑って 何も語らず

◇二番目は 〝独りで〈食事〉が出来ますか?〟 私は答える〝〈要介助〉です〟と

◇三つ目の 質問 即ち〈入浴〉で 「全部介助」と 答えた私が

◇「ADL*」 ほとんど〈失行〉今の妻 「特養」スタッフ 溜息つくのみ
(*)ADL=「日常の生活動作」の英語略称(activities of daily living)

◇生活の 自立を失い〈全介助〉 そんな人こそ 「特養」対象

◇わが妻も 「食事の介助」は必須なり 見舞う私は 「伴侶ヘルパー」

◇スタッフ*も 「食事は大事」と心得て 動き回って 懸命介助す
*スタッフ=Hさんの妻(ご本人)が入院している病院の介護担当者。

◇「特養」に とっての一番〈困り事〉 やっぱり「徘徊」〈順位〉下げるや

◇「徘徊」は あくまで〈街中巡る〉こと 〈廊下を歩く〉の 「運動」なるべし

◇「特養」の スタッフ人数 定着で 〈常時の不足〉が 一つの原因?

(櫻久からの付記) Hさんの妻・ご本人が、入院するに至ったのは、〈徘徊症状〉が
出ていた時期に、鉄道の踏み切りの柵をくぐって線路内に入ってしまい、「生命の
危険」にさらされたことが、キッカケの一つになったとのことです。


〔A〕
〔Yさん (夫・57歳・前頭側頭型認知症)を自宅で世話〕 

◇わが夫(つま)は 三年程前受診する 告知の病名 「前頭側頭型*」と
(*)前頭側頭型認知症=「前頭側頭葉変性症」の一タイプ。病態の主な症状は、
「物事への強い拘り」、「情動的行動」、人により「反社会的行為」が出る時期も。

◇飲んでいた 「アリセプト」止め「レミニール」 ひと月前から 夫は服用

◇薬効か 〈怒声〉の出ていた夫(つま)なれど 薬を換えたら 穏やかになる

◇副作用? 「幻視」の症状 夫(つま)に出て 自分も私も 共に困惑

◇この〈幻視〉 「家の中には誰か居る」 見知らぬ数人 見えるらしくて

◇入浴後 夫は呟き投げかける 〝次に入るの誰なんだろう〟と

◇居間に居る 私に向かって 夫(つま)の言う 〝風呂に居るのは誰なんだろう〟


◇この〈幻視〉 子育て時代に戻るのか 子等と一緒の 昔へ逆行?

◇家に居て 孤独や不安の感情に この頃 夫は襲われるらし 

◇〝直ぐ傍(そば)に 私が居るから安心よ〟 言っても夫は 不安ぬぐえず

◇外出し 車の助手席 夫(つま)の云う 〝ウチに帰ると一人になるのか〟と

◇運転し 一緒に帰るの誰なのか〟 「認識障害」 夫(つま)の哀しき

◇末っ子で 上の兄とは歳離れ 育ち盛(ざか)りを 孤独に過ごすか

◇味わった 子供時代の「孤独感」 根っこの感情 夫(つま)に根づくか

◇夫(つま)のする 昔話に何時も出る 子供時代の 「孤独感」なり

◇副作用? それとも記憶の逆行か 分からぬままでの 「夫の不安」よ

◇暴言も 怒りもないのが有難い 穏やかなる夫(つま) 見守る私が


[杉山代表]ーー記憶の残存と逆行について(解説)   

□ともすれば 「記憶の逆行」影響す その頃感じた 「孤独感」へと

□恐怖感 キッカケとなり怒り出す 症状示すが 長くは続かず

□「記憶」とは 感じた情動残すこと その働きこそ 「記憶力」なり

□食べ物の 美味しいところを記憶する その後の食欲に メリットとなる

□怖いこと 体験した時 記憶する その後の恐怖を 避ける手立てに

□二年前 「3月11日*」〈何してた〉 たいていの人 ハッキリ記憶す
(*)2011年3月11日=東日本大震災の発生した日
ーー今から2年前の2011年3月11日は、殆んどの人が記憶しているであろう「
東日本大震災」が発生した日です。この時、感じた「情動(感情)」は、その時に、〝
自分が何をしていたか、何を感じたか〟を、キチンと覚えさせているのです。

□味わった 「恐怖感」こそ「情動」で その日の行動 記憶を刻印

□幼児期の 寂しい気持や悦(よろこ)びは 「情動」として ハッキリ記憶す

□〔Yさん*〕の 基本の情動不安感 記憶に残って 逆行で出る
(*)Yさん=ここでは「ご本人の夫君」を指す。

□瞬間に 昔に還って恐怖する これこそまさしく 「記憶の逆行」


〔A〕
〔Yさん (夫・57歳・前頭側頭型認知症)を自宅で世話〕

◇その場合 私は夫にどういえば 〝大丈夫だよ〟とか 言うのでしょうか


 [杉山代表]

□そのとおり なるべく優しく言うとよい 上から目線は よくありません

(櫻久からの付記) 今回取り上げたHさん(ご本人・アルツハイマー型認知症)及び
Yさん(ご本人・前頭側頭型認知症)につきましては、これからも、毎回ではありま
せんが、時折「家族懇談会」でのお話しについての短歌を載せていきたいと考えて
おります。

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